2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

012 椅子作りにこめた気持ち

いろいろな分野の専門家がいて、いろんなことを言っている。 一つ身体の専門を持つ者として、わたしもいろいろ『いいたいこと』がある。 でもどんなに単純な一言でも、発する側と受け取る側には少し差異が生まれるし、もちろんそれは受け取る人によっても変…

成熟は内発的なものだ

9日間の安曇野での避暑を終えたら、緑のカーテンの元気がなくなってしまった。誰に託すでもなく置いておかれたのだから仕方ない。しかしそれでもまだ結実させる力は残っていて、いくつかの実が高いところに下がっていたので収穫した。 緑色の固い実から、鮮…

知らないことは増えていく

先日、生理学会が主催する若手研究者のための生理学セミナーに出席した。 わたしが初めて生理学という学問を教室で学んだのは、25歳になる年の春だ。理学療法士になるために入学した大学で、生理学とはなんぞやーと思いながら椅子に座っていた。生理学は面白…

012 咀嚼と嚥下(もぐもぐごっくん)を比べてみよう

運動、と言うと、身体を動かすイメージなのではないかと思うのですが、口の動きも運動のひとつです。人間の顔には多くの筋肉があって、筋肉の動きで口をもぐもぐして咀嚼します。そして飲み込みます(飲み込みも筋肉)。発語のときも筋肉を使っています。そ…

どういう学びが好きですか

学びの方法について、教育する側になってはじめて考えるようになった。 わたしは子どもの頃から活字が好きで、湯船の中で活字を探してシャンプーやリンス(なつかしい)の説明書きを繰返し読んでいた。(少し大きくなってからは「自分で買った本」をお風呂に…

卒門

科学道100冊 という、面白い科学系の本を集めたサイトを半年ほど前に知って、企画をしている会社に興味を持ち、同じ会社の編集学校で『守』という4ヶ月間の編集稽古を受けた。 言葉の力を使って世界を切り取る毎日だった。 文章を書くのも読むのも昔からとて…

きのこの森だった

9日目

旅行、おわり。

8日目

わたしが肝細胞だとしたら、こどもは幹細胞だと思った。 何にでもなれるしどこにでも行ける。 ただ幹細胞はそこで孤独に放っておいても分化していけないから、周りと相互作用が起きるように促したい。 何を見るか何をするかを規定するのではなく、自ら見て自…

6日目・7日目

洗車機の中にいるような雨に出会って、でも、5分走らせたらそこは地面も濡れていなかった。ここは山だ、と思った。雲は、気温差のあるところで生まれる。 雨や雲や風は、平穏の中には現れない。特攻を神風と呼んだのも、その場の空気を乱すための作戦だった…

012シリーズで伝えたいこと

0歳 1歳 2歳 この三年間は、楽しい。 この世に産み出されて、最初の1000日。 この世の光や色や音や振動や、さまざまな周波数が、子どもたちを取り巻く。 内から湧き上がる泉と、外から届く波が、止まることなく彼らを成長させていく。 できればそんな…

5日目

滞在している家屋には、普段父がひとりで暮らしている。昨年度末で仕事を離れるまでは、何年もの間、週の半分をこちらで過ごしていた。数年にわたる助走期間で、父はこちらにたくさん友人をつくった。幾人か、とても親しい友もできた。苗を探していると言え…

3日目、4日目

ひとつ60円の桃がとてもおいしかった。いつも行くギャラリーのご主人が、そこで桃を買うと聞いて行ってみた農園の販売所。長沢、とだけ、A4判の白い紙にマジックで書かれて、山のように売られていた。長沢白鳳という種類らしい。調べてみたら、なんと切…

012 ひとつの運動を比べてみよう〈歩行〉

歩き始めるまで、いつ歩くかな、人と比べて遅いかな早いかな、気になりますね。そこまでの発達が劇的だからこそ、なんとなくゴールを求めて『歩き始めたら安心』みたいな気持ちが出てくるのかもしれません。歩き始めも単なる通過点です。歩き始めてからも、…

012 こんな運動してみよう〈ぐるりんぱ 〜最初の一歩のころ〉

首もぐらぐらして動けなかった新生児から、立つようになるまで、大人の時間のものさしで考えるとあっという間です。仰向けひとつだった世界ものびのびと広がって、かかる重力に少しずつ対抗できるようになって、ころころ転びながら歩くことを学んでいきます…

2日目 煮詰める

ジャムを作るのが好きだ。旬の果物を一年中楽しむために、あまく煮詰める。食べる時にその季節に想いを馳せる。最後のひと瓶の、最後のひと匙を掬うと、つぎの季節が待ち遠しくなる。容器の煮沸もする。大切に食べ続けるために付着している菌を死滅させる。…

1日目

人に会う予定と、ギャラリーの展示スケジュールに合わせた訪問しか決まってない夏休みがスタートした。約10日間。ほとんど移動しない。ここは20代のわたしが暮らした場所でもあるし、それからずっと通っているから、新しくできたスーパーマーケットに行っ…

<Aug 11th, 2017>

心の声は沈黙と同じ 声に出したら囁きと同じ 行動に移したらやっと歌声

012 座れるようになったらカスタムメイドの椅子を

せっかく座れるようになっても、身体にちょうどいい椅子がないとしっかり地に足が着きません。 「座っていられない子どもが増えてる」などと言われているけれど、それって子どものせいなのかな―。 椅子生活が多い文化になって数十年、輸入された日本人のサイ…

012 ひとつの動作を比べてみよう<ひきおこし>

『想像する力』という本に、こんなことが書いてありました。 『ヒトは、四本の足から二本の手を得たのではなく、四本の手から二本の足を得たのだ』 四足動物からの進化をわたしたちはイメージしがちですが、類人猿と比較してみると、彼らは四本の足ではなく…

012 ひとつの姿勢を比べてみよう<すわる>

座る、の定義って難しいんです。だってずいぶん早くから「無理矢理座らせる」ことができるから。 でも、発達や身体の動きのことを考えると、いくつかの段階に分けることができて、基本的には『一人で座って転ばない』が完成形。 ものの本(やネット)には、…

012 ひとつの姿勢を比べてみよう<うつぶせ>

うつぶせ、三ヶ月半、四ヶ月半、五ヶ月半でこんなにちがう。 感じますか?世界の広がり。 [wpvideo gvkkBuNU] [wpvideo TU4pJMdu] [wpvideo gXTrxfhs] うつぶせは否定的に捉えられることが多いけれど、生後1カ月くらいから、少しずつこの姿勢をとることで、…

実習に受かるにはどうしたらいいか

いま理学療法士を養成する学校で教員をしています。担任をしたり、学校の備品を整理したり、実習先の理学療法士の方々と連絡をとったり、授業をやる以外にもいろいろ仕事があります。 学生と話をしていると「実習がこわい」「どうやったら無事乗り越えられま…

012 脳と身体の栄養は

わたしの専門分野は身体の構造や運動するしくみなので、いつも身体の不思議について考えています。そもそもこの職業に就いたのも、骨が折れても脱臼してもはたまた筋肉がちぎれても(肉離れ)、そのうち治る(いや本当は元には戻らないのだけど)身体って不…

012 足ってとっても不安定

子どもがしっかり立てる『足』について考えています。 そもそも足の構造っていうのはとっても不安定にできていて、すごーく簡略化するとこんな感じ。・・・って、工作してみました。注目したのは距骨(キョコツ、talus)。 キョコツがボール、缶が足、箱が下…

012 ひとつの姿勢を比べてみよう<仰向け>

<動画の権利はすべて管理者に帰属しており、いかなる転載・複製・一部利用も認めません> ということを一応お断りして。 頭の中にあった「やりたいこと」をひとつひとつ具現化したいので、こんな動画を並べてみました。 下の三つの動画、生後しばらくして1…

とりあえず40歳まで

気づいたら39歳で、来年40歳になるらしい。このあいだ不惑を迎えた友人に「ふわくん」と呼んであげるって話をしたら「ふわっく」のほうがいいという返答がきた。ふわっく、いいなと思った。 このサイトは少し前からwordpressを使ってみたくて、使うなら…