1日目

人に会う予定と、ギャラリーの展示スケジュールに合わせた訪問しか決まってない夏休みがスタートした。約10日間。ほとんど移動しない。

ここは20代のわたしが暮らした場所でもあるし、それからずっと通っているから、新しくできたスーパーマーケットに行ってみたいということ以外は特に新鮮なことはなにもない。

けれど、東京と違う空と風と水が、ある。

いつもと同じように5時に目を覚まして、少し水分をとって子どもと散歩する。帰宅して果物と野菜を食べた。
少し部屋を掃除して、畑でいまあるものを収穫した。
馴染みのお店でお昼を食べて、ギャラリーを一度訪問。ゆっくり昼寝しながら、夕方到着する友人たちを待つ。夕飯のメニューをうとうとと考える。バーベキューもいいかもしれない。

これまで連れて行かなかった息子を、ギャラリーのご夫婦に紹介した。静かなギャラリーで、息子は思いのほか落ち着いて、建物と展示物に目をやりながら小声で素敵だねえと呟いた。

午睡の彼の目が覚めたら蛇口をひねって、冷たくておいしい水を飲もう。