卒門

科学道100 という、面白い科学系の本を集めたサイトを半年ほど前に知って、企画をしている会社に興味を持ち、同じ会社の編集学校で『守』という4ヶ月間の編集稽古を受けた。

言葉の力を使って世界を切り取る毎日だった。

文章を書くのも読むのも昔からとても好きなのだけれど、読みかた、書きかた、というのはあまり教わった記憶がない。小論文なんかは型があって、練習した記憶があるけれど、あれはまあ試験勉強みたいなもので答え探しのひとつに過ぎない。

本当の文章には答えなどないし、わたしらしさ、あなたらしさ、というものは書けば書くほど滲み出てくるものなのだということを学んだ。

世の中の切り口も多種多様だし、何をどう見て生きていくかで世界はどんな色にも変わるのだということも実感した。

松岡正剛さんという方が校長だ。千夜千冊 というサイトで、彼の綴る書評が読める。

文章に『らしさ』を際立たせることができるようになったらきっと、もっと、人の書いた文章の『らしさ』に気づけるようになるのではないかと思う。

アメリカでの調査で、子どもの読書習慣は家の中にある本の数が多い子どもほど身につきやすいという統計から、実験的に、低所得者層に本を配ったそうだ。けれども、本当に関係していたのは親が本を読むかどうかで、本を与えるだけでは読書の習慣は身につかなかったそうだ。

本は世界を広げる道具だ。

そして、文章をたくさん読むことは、文章を書けるようになる基礎でもある。