わたしの自由を

わたしが10歳の頃持っていた自由を

わたしは息子に与えてやれるだろうか

 

あの頃のわたしは本当に自由だった

 

わたしはそれからずっと自由に育った

誰もわたしを妨げたりしなかった

 

いやもしかしたら何かあったのかもしれないが、わたしは何も憶えていない

 

今もわたしは自由を求める

 

深夜一時半、酒を飲んで帰宅したわたしを、誰も咎めない生活を望んでいる

わたしはいつも自由でありたい

 

誰かがそう自由でありたいと言ったときに

わたしは誰かを許せるだろうか

 

本当は知っているのだ

わたしの自由の裏にある、誰かの不自由を

 

そろそろわたしは不自由を

受け止める覚悟が必要かもしれない

 

深夜、鏡に映る自分の化粧を落としながら

そんなことを考える

 

深夜、一人で洗面所で、歯を磨く至福を噛みしめる