2日目 煮詰める

ジャムを作るのが好きだ。

旬の果物を一年中楽しむために、あまく煮詰める。
食べる時にその季節に想いを馳せる。
最後のひと瓶の、最後のひと匙を掬うと、つぎの季節が待ち遠しくなる。

容器の煮沸もする。
大切に食べ続けるために付着している菌を死滅させる。徹底的な美味しさへの執着を感じてしまう。

さらさらした水分がとろみを帯びていく過程もたまらない。ジャム作りの醍醐味はほぼこの過程にあるだろう。
艶が出て、果実の柔らかい部分が溶け出したのがわかる。繊維のあるルバーブなんかは、艶とともに糸のように繊維がほどけて、絡み合って、別の生き物へ進化していくようだ。

旬を凍らせておけば、季節の融合も体感できる。
春のストロベリー、初夏のブラックベリーとブルーベリー、長い時間雄々しくしげるミントと合わせて、いま、煮ている。いい匂いがしてきた。

このジャムを食べ終わる頃、わたしは何をしているだろうか。