若さと悩みと未来と

昨日の非常勤の授業の後、AT専攻の学生に
「将来は高齢者の動作を分析する仕事がしたい」と相談を受けた。
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まあ色々その枝葉もあったのだけれど、とにかくATが目指すところではないのだと。理学療法士作業療法士を考えているのだと。
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広島出身で一人暮らしをしながら奨学金と仕送りで、学費だけでも年間100万円。今、三年生が始まったところ。
私は非常勤で、学校に対しての生徒確保の責任もないので(あるのか?)、今の学費が無駄だという話をした。奨学金を返す現実の話も。
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彼らの時間は無限に見えて、実はそうでもない。
ケアマネジャーもとって地元で働きたい、という視野の広がりもある中で、その先のキャリアを考えたら、決まれば早いに越したことはない。
実務経験何年、が求められる職業上の資格だってたくさんあるのだ。
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そして何と言っても、脳にも身体にも力のある今の時期を、目指す意味のない資格に向けるのは勿体ない。
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その隣で、彼女の友人が、話を静かに聞いていた。
先に行ってていいよーと彼女に言われたけれど、ううん大丈夫だよ、と話を聞いていた。
友が新しい道に進みたいと話している姿を見て、彼女がどう思ったのかはわからない。けれど、「えー!さみしい!」とか「とりあえず頑張ろうよ!」とか、言い出さない彼女もまた、今ちょうど自分の進路について迷っているのではないかと思った。
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大きなうねりの中で、漂って、流されるまま生きるという術もある。
ただ、それに抗う力をいつまでも持ち続けられるわけではない。
潮時に抜け出さなければ、また、潮目を泳ぎきるタイミングを失ってしまう。
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『あ、わたし、◯◯です』
と、名前を言って去って言った。きっともう一度くらい話しかけますよ、という意味だろうと思う。
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大人には、大人しかわからないことを、話す義務と責任とタイミングがあると思う。
わたしも、何度も、周囲の大人に相談して生きてきた。
話ができる大人はたくさんいた方がいい。
だから、「わたしには話して大丈夫だよ」という雰囲気だけを、纏っていたいと思う。
そういう大人が周りにたくさんいることを願う。
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それで、本人が何を選ぶかは、本人次第だ。
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自分の子どもにも、大人を恐れず話せるようになってほしいと思う。
自分の意見と強い眼差しを持って。