ひまのある大人になる

『こころの科学』という雑誌の今月号に、『「家を壊す」から「家を作る」へ』というコラムがあった。引きこもって家庭内で暴れていた子が、近所の大工のおじさんに手伝いを頼まれることで、稼ぐこと、身体を使うこと、皆で力を合わせること、人の役に立つこと、そういったことの喜びを自分の中に見出していった臨床経験だ。

この、近所の大工のおじさん、みたいな大人になりたい。自分の懐に誰かを唐突に受け容れてその育ちを見守れるような。どうなるかわからない不確実なものをテリトリーに迎え入れるには、余裕が必要だ。心にも身体にも時間にも。

おいで、って、いつでも言える人間になりたい。だから、言うし、そのための余裕を意識して準備しておく。いつか意識せずとも、それを纏った人間になれるように。