012 感覚から始まるぶら下がり(2歳9ヶ月)

棒にぶら下がる運動は何から始まるのだろうか。

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棒に掴まり、ぶら下がって、10まで数える。そのまえに、まず、自分と棒までの距離を目測する。この動画のように身体が揺れていると、目測もなかなか難しい。

揺れの大きさと変化する目測の値から、自分の手の長さで処理できるタイミングを探す。

そのタイミングに合わせて、そこには腕を伸ばし掴む動作をする時間も含めつつ、握る。そして離さずに次のタイミングを待って反対の手を伸ばす。

目的通りの動きをするには、目的に対峙して、自分を取り巻く環境をまず全て感じなければならない。

動きながらものを見る能力や、目的物に対して動く自分の可動範囲を知る能力は、生まれつき備わっているわけではない。棒に対して動くとき、首の角度の微妙な調整をしないと、目の焦点は定まらない。同時に、定めた焦点を維持するには、揺れている身体の感覚に対して、身体を調整して動的な平衡を保たなければならない。

複雑なのだ。

生まれて視覚が安定してから、いろいろな速さで動くものを、自由に放たれた身体とともに見てきたか。

拘束されてはいなかったか。

過剰な視覚刺激ばかりにさらされていなかったか。

身体の動きとともに変化する動体に、手を伸ばすこと、足で近づくことをどのくらい繰り返してきたか。

そして、失敗してきたか。

トライアンドエラーが、感覚を研ぎ澄ます。運動を発展させていく。

エラーの様子も、どうぞ。

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